‟5歩も歩けばもう外(笑)そのサイズ感が良い”【栖ログ開発社員が語る・前編】
BESSの建物や暮らしを生み出しているのは、一体どんな人たち?
商品開発を手がけた社員に、栖ログの開発秘話をインタビュー!
前編は、「栖ログ」という建物がどのように形づくられていったのか、を中心に、建物開発担当・秋本のインタビューをお届けします。
新カテゴリー「平小屋」ログ開発はこうしてはじまった
ー栖ログは「BESSの平小屋」と掲げ、「小屋で暮らす」という新たな提案の商品です。どんなきっかけで、開発がスタートしたのでしょう?
秋本:実は以前から、『BESSで平屋はないの?』という声は多くいただいていました。しかし、すでに確立している「平屋」という市場の中で商品を作るのは違うと考えていました。
BESSは創業からずっと、顕在化した市場に商品を投入する「マーケットイン」ではなく、BESSの思いを反映し、人々の潜在的な価値観に提案する「プロダクトアウト」を標榜して商品開発を行ってきました。
BESSの価値観が活きる、そんな新しいカテゴリーの商品を開発しよう。
そんなところからのスタートでした。
「小屋」との組み合わせで道が拓けた
秋本:BESSには「IMAGO」というログ小屋シリーズがあります。
家という概念に縛られず、自由で軽やかな小屋の暮らしが栖ログ開発においては大きなヒントになりました。
「平屋」×「ログ小屋」というキーワードができたときに、BESSらしいものになりそうだ、という予感がありました。
「平小屋」にちょうどいいサイズ感って?
秋本:まず取り掛かったのは躯体のかたちです。「小屋」「平屋」のサイズ感って?と議論を重ね、妻側(建物の奥行)のサイズはすぐに決まりました。奥行約4.5mの空間は、手を伸ばせば端から端まで届きそうな距離感で、5歩も歩けばもう外です。
そんな外が身近な暮らしが、今回の栖ログのポイントかなと思います。
ー今回、開発でいちばん苦労したのはどのあたりですか?
秋本:ウッドショック等で業界全体としても価格が上がっている中で、価格を抑えながらも、妥協ではなく「これがいい」と選んでもらえるものにしたい、と検討を重ねました。スケジュールやコスト面での制約をクリアしながら、ブランドとして自信を持って送り出せる商品を作りたいという挑戦でした。
屋根に鳥小屋?!
ーここを語りたい!という一押しポイントは?
秋本:妻壁(両サイドの壁)のカラーリングですね。全部無塗装でもいいじゃん、という声もあったのですが、それでは新しさは生まれない。
無塗装のログ材の表情も引き立ちながら、奥行きを感じる空間が作れて、いい配色になったと思います。
ー潜望窓もいいですよね。
秋本:小屋裏がもっと魅力的になるような、見た目にアクセントが欲しいなと思って。実は最初の案では「鳥小屋」だったんです(笑)
子どもと公園を散歩しているときに、「あ、コレいいかも」って。
顔一つしか入らないのぞき窓ですが、庭を眺めて「次は何をしようかな」と企む。そんな風にこの潜望窓から暮らしの楽しみが広がるといいなと。
選んだ人が誇りに思えるデザインを
秋本:これだけシンプルな形やサイズ感ですが、「平小屋」という新しいカテゴリにふさわしい顔にしたいというところは強く意識しましたね。
素朴すぎても尖りすぎてもいけない、そのバランス感は試行錯誤しました。
山小屋を意識した赤い屋根は、豊かな自然に映える、遠くから見たときに、自分の「栖」が誇らしく感じるように、そんな思いを込めました。
また、ログの重厚さだけでなく軽やかさも出したいと、波板庇を採用しました。軽やかさを追求して布で庇を作る、なんていう案もあったんですが(笑)
どんな風に暮らしが広がるのか楽しみ
ー栖ログは最大サイズでも1Fの面積が約60㎡。このサイズ感になったのは?
秋本:「2人」という家族の単位についてとことん考えたのが大きかったですね。
通常の住宅開発だと、子どもも含めた空間想定をすることが多いですが、栖ログ開発で初期からずっとベースにあったのは『結局、最後はふたり』というキーワードです。
入口は2人、子どもが産まれたとして、子どもが巣立てば最後はまた2人…
2人でもピタリとくる空間、ということは重要なポイントでした。
名前こそ「S30(エスサンマル)」「M40(エムヨンマル)」「L60(エルロクマル)」という3モデル展開ですが、単なるサイズ違いではなく、それぞれのサイズ感を活かした、まったく異なる暮らし方が楽しめると思います。
どんな風に栖ログの暮らしが広がっていくのか、僕たちも楽しみですね。
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後編へつづきます!
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