‟「最後は、ふたり」がキーワードでした”【栖ログ開発社員が語る・後編】
BESSの新商品、「栖ログ」の開発秘話をお届けする社員インタビュー。
後編では、「栖ログ」の住人像や、暮らしのイメージを、暮らし表現を担当した樋口が語ります。
▼前編・建物開発の裏話はこちら
「2人」という家族の単位をとことん考えた
ーBESSでは毎回、シリーズごとに住人を想定し、その住人の価値観を暮らしの設えに落とし込んでいます。今回、住人像をイメージする上でどんなことを意識しましたか?
樋口:一般的には結婚や子どもの成長といった家族の変化が家を建てるきっかけになることが多いと思いますが、家族の在り方も変化してきています。
そもそも結婚しない選択もあるし、かたちにこだわらない、色んな考え方がある中で、『家族が増えたから家を考える』や『家は一生の大きな買い物』ではなく、先の見えない時代の中で、人生設計がカンペキでなくても、『こういう暮らしって楽しいよね』で始められる暮らしってあるはず、と開発メンバーで話していました。
今回の栖ログでイメージした住人像は、こうあるべき、という固定観念にとらわれない軽やかな考え方ができる人。部屋が足りなくなったら外につくっちゃえばいいじゃん、くらいの、臨機応変さがある人というか。
はじめはパートナーと2人。子どもができたとして、20年もすればまた2人になる…そんな「時間軸」を今回はすごく考えました。
BESSの家シリーズにはない栖ログの魅力
樋口:土間やウッドデッキのある、‟外とつながる暮らし”はこれまでも提案してきましたが、栖ログは、特に外との距離が近い。室内と外が地続きです。
天気が良ければ食事は外で。寝るのだってたまには外にテントを張って…
小さいからこそ、そんな自由な発想が広がる。それが他のBESSの家にはない栖ログならではのおもしろさではと思います。
部屋の機能をあえて特定しない
樋口:サイズ感はもちろんですが、栖ログでは、各部屋を『場所』と呼ぶことにしました。それは、「玄関」「LDK」「寝室」といった、機能を特定する場所をなにも作らない、ということ。どう考えたっていい、あるのはひとつづきの空間だけ。
室内は、トイレと風呂以外にはドアもありません。
出入りは玄関じゃなく掃き出し窓からでもいい。
ソファーを置くよりも、薪ストーブの前でごろ寝するほうが気持ちいいこともある。
部屋の名前を決めないことで、暮らしの楽しさが何倍にも広がります。
子どもには子ども部屋…という人には少しハードルに感じられるかもしれませんね(笑)
家族の在り方をもう一度考えるきっかけになるのではと思います。
家具や小物ひとつにその人が現れる
ー住人像から暮らしの設えに落とし込んでいく際には、何をヒントにしていますか?
樋口:有名人などをイメージするときもありますが、今回はなかなか苦労しましたね。『周囲からどう思われるかよりも、こうしたい、という自分の考えを持っている人』というイメージはあったのですが、具体的に暮らしの設えに落とし込もうとすると難しくて。
少し角度を変えて、自分だったら?とイメージを広げていくことにしました。最初は『そうはいっても、小屋ってどう暮らすの?!』なんて思っていましたけど(笑)家族でここに住むとしたら?を本気で考えて。
ー住人像や暮らしの設えについては、いつも侃々諤々の議論ですよね。
樋口:「この家具だと線が細すぎる」「テーブルは四角じゃなくて丸」「ファブリックの柄はこれなの?」とか…とにかく議論しますね。
コレクションする人なのか、もしくは何かひとつをとても吟味して選ぶ人なのか…
家具のテイストや小物一つとっても住人が現れると思っているので、
そこは妥協せずにとことん突き詰めます。
今回、BESSつくばで実物モデルの一棟目を建築していますが、
ぜひ、どんな暮らしの設えをしているか、覗いてみてほしいです。
「栖ログ」が届けたい暮らし
樋口:この栖ログが、「家や暮らしはこうあるべき」という世間の決まりにとらわれず、本当の意味で自分たちがどうやって暮らしたら幸せになれるのか、考えるきっかけになってもらえたらいいなと。
極端な話、最終的に栖ログが選ばれなくても、「もっと暮らしって自由でいいんだ」と思える人が増えてくれたら、嬉しいですね。
開発担当のインタビュー、いかがでしたか?
全国のLOGWAYでは詳しい資料や360°VRで室内のバーチャル体験もできるので、ぜひ、お近くのLOGWAYへ足を運んでみてくださいね。
▼これまでの栖ログnote記事はこちら