『BESSの言葉がおもしろい出会いをくれる』外部パートナーにインタビュー #01スタイリスト・高橋カオリさん
「外からみたBESSって、どんな感じ?」
BESSというブランドを一緒に作りあげていく、外部パートナーの方々へのインタビュー企画『わたしとBESS』をスタートします!
今回は撮影現場や全国のLOGWAYに建つ家々の演出でお世話になっている、スタイリストの高橋カオリさんにお話をお伺いしました!
ーこれまでのお仕事の経歴について教えてください。
大学を卒業してからずっとフリーランスです。
ショーウィンドウのディスプレイや、インテリアショップの店舗ディスプレイなどに携わってきました。
ーBESSのことってご存じでしたか?
職業柄、様々なショップで家具を見たり、ハウスメーカーに興味を持ったり…ということはあったので、もちろんBESSも知っていました。
雑誌広告のコピーなど、BESSは言葉が印象的でしたね。
漠然と「あったかいおうち」というイメージを持っていました。それは単純にログハウスだから、木の家だから、とかではなくて、
奇をてらわない、かしこまっていない、何か光るものがある、あの「匂い」はなんだろう?って感じていましたね。
多分デザインやクリエイティブに携わる方なら経験することだと思いますが、対象ととことん向き合うと、単にモノを越えて、概念に思いを馳せるようになるというか。
「暮らしって何だろう」「家具って何だろう」というような。
BESSにはそれと同じようなことを感じるんですよね。
言葉や視点、捉え方、世の中で起きていることを鵜呑みにしていないというのか…
ーBESSと仕事をすることになったきっかけについて
山中さん(BESSの顧問デザイナー)とたまたまSNSでつながっていて、ある時に「BESSって知ってますか?」というメッセージをいただいたんです。
私、SNSで仕事の紹介をしていたわけではなくて、子どもとの日常や、社会に向けての文句しか投稿してなかったので、今でもなんでお声がかかったのかわからないんですけど(笑)
当時、栃木県の那須にUターンして、都内の仕事よりも地元に根差した仕事をしようと生活をスタートしていたので、8割方断ろうと思っていたんです。
でも、山中さんが宇都宮まで来てくださって、BESSのカタログなど資料一式をいただいた中に、『BESSってなんだ』があって。
そこに書かれていた二木社長の言葉を読んで惚れこんじゃったんです。
「仕事は全て調整するのでぜひお願いします!」とお返事していました。
ーはじめてLOGWAYを訪れたときの印象、どうでしたか?
普段から第一印象は大事にしていますが、
栃木と多摩のLOGWAYへ行ったときのことは今でも覚えています。
まだ仕事を引き受けるかどうかも決めていないときです。
地元の那須で過ごしているとき、日常にいっぱいいっぱいで、疲れたなあと思ったときに、いつもコーヒーをもって川に行くんです。
川辺で水の音を聴きながら過ごすと気持ちがすごくリセットされる。
とても大切な時間なんですが、
そんな自然の中で感じる気持ちをカントリーログに感じたんです。
外の喧騒も全く感じない、音のない世界。
暮らしの設えや雰囲気というよりも、木という素材がすごいな、という感覚でした。
BESSでは「ドレスアップよりドレスダウン」という言葉がありますが、
「ドレスアップするだけのデザイナーを探しているわけではない」
という山中さんの言葉の意味をその時に実感しました。
売ろう売ろうと付きまとわれることもなく(笑)、自分のリズムで見学できたことも、体感につながったと思います。
ーBESSとの初めてのプロジェクトのお話を聞かせてください。
代官山の展示場をBESS MAGMAにリニューアルするプロジェクトのなかで、G-LOG なつの演出に携わったのが最初です。
そもそも家に「樋口一葉」って何?っていう(笑)
MAGMAのスローガンは「感性よ、噴火せよ。」だし、ここは何屋さんだろうって(笑)
G-LOGの住人像やその暮らしについて、言葉ひとつひとつ、議論を重ね、深堀りをし、たくさんの冷や汗も搔きながら、最終的には物ひとつとってもそれが必然である、というか、正直演出に携わったという感覚がまるでないくらい、「なつならこれを選ぶ」という確信で作り上げましたね。
このG-LOGだけではなく、栖ログや全国のLOGWAYで様々なモデルの設えに携わらせてもらっていますが、仕事を終えて毎回LOGWAYを去るときにはぐっときますね。常にBESSとの仕事は何をするにも、濃厚なので。生き物に対するような愛着が生まれます。紆余曲折ともに味わった恋人との別れのような感覚になります(笑)
ー好きなBESSの家、共感する点があれば教えてください。
ひとつに選べないですが、やっぱりG-LOGですかね。「なつ」さんが好き。家というモノに樋口一葉を置き、現代の暮らしにピタリと重ねてしまえるところにBESSの品や知的さも感じます。「なつ」の中にある言葉には背筋が伸びるような気持ちになります。商品紹介に出てくる「おでこのきれいな女性がいました」とか、「心馳せ」など、美しい言葉だなって。
BESSの言葉に守られてるな、と思うことが結構あって。
日常的に企業や世の中のポスターとか広告に触れたりするなかで、
「言葉の意味はわかるけど、おいおいそれって本心なわけ!?」とか性格的に思っちゃうんですけど、BESSは言葉がそもそも立体的なんですよね…不思議な魅力だと感じています。
たとえば暮らしの設えをする際に、青の花瓶にするか緑の花瓶にするか、悩み立ち止まってしまいそうになる時に、『暮らしを楽しむ』という言葉が違うリズムをくれる。それを辿ると自然と面白いモノとの出会いにつながるんです。
ーBESSの仕事をしていて、ご自身のふだんの暮らしや、他の仕事への刺激や気づきになるようなことがあったら教えてください。
モノづくりをする人間として、何よりもまず、自分自身の日常のテンションを大事にしています。BESSの、曖昧さがない本気のものづくりの場に携わることで、いいテンションをいただいているなと思っています。
ー最後に、BESSにこれから期待することをぜひ聞かせてください。
BESSの家々の設えに携わる中で、そこに入れ込む家具や雑貨をセレクトするときには、共感が生まれてモノが生まれる、そのコミュニケーションを大事にしたいなと思っています。
テーブルひとつとっても、テイストやサイズ、図面といった単なる情報ではなく、そこに潜むストーリーや概念まで伝えないとずれてしまう。
そうしてBESSに共感しながらモノづくりをしている人たちは、BESSと同じように、『根っこがある』というか、すんなり売れるモノを作ろう、ではなく、自分と対話しながら生きている人が多い。
そうしたBESSに携わる人たちのおもしろさや豊かさがもっと広がっていけばいいなあと思います。ユーザーの暮らしやLOGWAYコーチャーも含めて、唯一無二のものだと思うんですよね。
BESSという共感があるだけで、気が合うし、すっとばせるコミュニケーションがある。それってすごいおもしろい。
ユーザーそれぞれが暮らす土地ごとの文化や、暮らしを楽しむ概念が、BESSの家が建つごとに広がっていけば、社会が良くなるんじゃないかと本気で思いますね。海を越えていってほしい!
高橋さん、ありがとうございました!
▼ 高橋さんも撮影スタイリングとして参加いただいた" はみだせ! くらし"の特設サイトはこちら
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